日本発グローバル企業の経営者ブログ

本ブログの内容は個人的見解であり、関係する諸団体とは無関係です。

2017-01-01から1年間の記事一覧

海外出張術:究極の取捨選択

10月にヨーロッパ、米国をそれぞれ東西南北を廻る出張をしてきました。これはまだマシな方で、以前は米国と中南米を廻り、帰国の途中にヒースロー空港で買収交渉をやるというハードな出張もやってきました。 ハードな出張を支えてくれるは旅のお供であるが、…

新宅塾『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』

伊藤光一朗、光文社新書 経営の現場では常に原因の解明と対策の実施に追われる。例えば、ある事業が急激に業績不振に陥って対策に迫られたとしよう。長年の懸案ならば原因は分かっているかもしれないが、急激な悪化の場合は短期期間でそれなりの分析が必要だ…

海外出張術: サバイバル食事

海外出張で体調を壊して仕事に差し障りが出たり、予定を変えなければことは避けたい。特に、地位の高い人ほど仲間に迷惑をかける事になる。また、帰国後もハードスケジュールが待っている。従って、体調管理には慎重になり、多少のわがままを言うのは許して…

論説:働き方改革の方程式

『働き方改革』が叫ばれてる。日本にとって非常に重要なテーマだ。並行して長時間労働の問題も報道もされているので、働き方改革=労働時間、残業短縮と勘違いしている人も少なくないと思う。 基本に立ち帰って考えてみよう。どんな改革も関連性と制約があり…

経営の眼: 収益改善の短期と長期

企業経営では日常的に、経営改善という課題と取り組む。収益状況の深刻さやそれに対応するための改善策の実現可能性を勘案して、経営者は次の手を打たなければならない。今回は収益改善策の効果を評価する上で、注意すべき点について説明したい。 ・短期的効…

お役立ち:トップの海外出張術

管理職になったことから海外出張が激増し、一時は一年の半分近くを海外で過ごした。社長になってからは、滞在期間よりも出張回数が増えた。その中で、身に着けた海外出張の工夫について紹介したい。 特にリスク管理には敏感になってほしい。ヨーロッパ同時多…

論説:減損テストに内在するリスク

近年、日本企業による買収が大きな減損を発生させている。マスコミの報道では、買収時の楽観的見通し、高値つかみ、デユーデリの甘さ、買収後統合(PMI)の失敗などがその原因とされ、日本企業による買収の稚拙さが指摘されている。 確かに、買収時の検討の甘…

キャリア考:ナポレオンを倒した男

ナポレオンは言うまでもなく天才的な軍人で、フランス革命後、ヨーロッパ全域を敵に回し、勝利を重ねた。常に少数で、圧倒的多数の敵を相手に勝利した。フランス皇帝に上りつめるが、ロシア遠征での大敗、エルバ島からの奇跡的脱出を経て、ワーテルローの戦…

論説:内部留保をめぐる3つの誤解

最近、企業は人件費をケチってお金を貯めこみ、投資もしないから内部留保が増える一方だ・・・という話を聞くことがある。庶民受けするかもしれないが、誤解を生みやすい話だ。マスコミ・テレビで繰り返し現れるので、この際間違いを正しておきたい。理解し…

新宅塾『Google流資料作成術』コール・ヌッスバウマー・ナフリック

プレゼン用スライドを作る機会が多くなるにつれて、もっと分かりやすく出来ないか、どうしたらパワーポイント臭くないスライドが作れるか悩みました。いろいろな解説本を探し回った結果、ついにこの本に出会いました。今年これまでに読んだ実用本では、お役…

論説:企業のグローバル化と国益

9月1日の日経夕刊の十字路に、中前忠氏の『消費減税と企業増税』が掲載された。 企業のグローバル化とともに、母国日本の国益と微妙なズレが発生する点について、大変重要な論考だと思うので取り上げたい。 中前氏の指摘を要約すると、以下のようになる。日…

新宅塾『最強の読み方』東洋経済

池上彰さんと佐藤優さんの対談本です。 日本で最も多くの情報を収集して、発信している二人の対談なので、中身が濃い。 池上さんはアナログ派で、佐藤さんがデジタルはなのはちょっと意外。池上さんはデジタルをやっている暇がない…なるほど。 さて、参考に…

新宅塾『数字は武器になる』野口悠紀雄、新潮社

野口先生は私の偉大な恩師の一人です。大学で『情報の経済理論』という科目があって、情報の価値とは何か、非常にシンプルな期待値計算のモデルで説明してくれました。先生は工学部出身なのに公務員試験経済職を受けて最優秀で大蔵省に入り、後に学者に転ず…

新宅塾『日米がん格差』アキよしかわ、講談社

著者のアキよしかわさんとは、UCバークレーの寮で知り合いました。私は派遣元の石油会社へ戻り、アキさんは経済学の研究から国際医療経済学者となりました。その後、私が医療機器業界に転じて近い関係になり、いろいろとアドバイスをいただき、勉強させても…

新宅塾『遺伝子は変えられる』シャロン・モレアム、ダイヤモンド社

『迷惑な進化』シャロン・モレアム氏のの近著である。 ヒューマンゲノム計画が人間のすべてを解明するような幻想が広がったが、その後、『エピジェネティックス』の理論によって幻想は打ち砕かれた。生命、人間は、環境に応じて遺伝子のスイッチをオンオフす…